入門・基礎知識

株式市場の種類を解説|日本の証券取引所

日本には、「東京証券取引所」「名古屋証券取引所」「札幌証券取引所」「福岡証券取引所」の、4つの取引所があります。

東京証券取引所は「東証」とも呼ばれていて、テレビなどで「東証一部」や「東証マザーズ」の言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。

この記事では、日本の証券取引所について詳しく紹介します。

東京証券取引所の仕組み

東京証券取引所のなかで、株式取引ができるのは、以下の市場です。

  • 東証一部
  • 東証二部
  • マザーズ
  • ジャスダック

それぞれの市場について詳しく紹介していきます。
まずは、東証一部、東証二部についてみていきましょう。

東証一部・二部とは?東京証券取引所の本則市場2つの違いを比較

東京証券取引所には東証一部・東証二部2つの市場がある

東京証券取引所には、1949(昭和24)年4月の開設当時から存在する「市場第一部(東証一部)」と、1961(昭和36)年10月に設けられた「市場第二部(東証二部)」の2つの本則市場があります。

[su_note note_color=”#fdfae0″]本則市場とは…証券取引所にある市場のうち、メインとなる市場のこと。[/su_note]

どちらの市場にも日本国内では特に知名度が高い企業が上場していますが、この2つの市場にはいったいどのような違いがあるのでしょうか。

上場している企業の数

東証一部と東証二部を比較した場合にまず気がつくのは、上場している企業の数です。

2017(平成29)年10月の時点で東京証券取引所には3,566の企業が株式を公開していますが、このうち2,032社は市場第一部に、525社が市場第二部に上場しています。

[keikou]企業数のベースでは第一部は第二部のおよそ4倍の規模を持っている[/keikou]といえます。 企業数より大きな差があるのが株式時価総額です。2018(平成30)年7月末の時点における株式時価総額は東証一部が約651兆2199億8000万円、東証二部が約9兆8369億4500万円で、第一部は第二部の約66倍の時価総額をほこっています。

このように、市場の規模は歴然とした差があり、これが日本の経営者の多くが市場第一部への上場を目指す理由の一つとなっています。

東証一部の上場審査基準は厳しい

証券取引所で株式を公開するためには、運営者が定める上場審査基準をクリアしなければなりません。東京証券取引所にある2つの本則市場は審査基準が若干異なっており、東証一部の方が東証二部より要件が厳しくなっています。

例えば、株主の数は第二部だと上場する日の時点で800人以上が必要なのに対し、第一部に直接上場するためには2,200人以上いなければなりません。流通株式数については、二部は4,000単位に達していればクリアとなりますが、一部だと5倍の20,000単位に達していることが求められます。

時価総額の基準も設けられており、東証二部は20億円、東証一部は250億円が最低ラインとなっています。

上場審査基準を見る際に注意が必要なのは、株式の要件はすべて流通している株式に関するものであるということです。

流通株式数は、発行済みの株式数から流通性が乏しいとみなされた株式数を差し引いたものをいい、東京証券取引所では自己株式、上場企業の役員・配偶者・二親等内の血族が保有している株式、上場会社の関連企業およびその企業の役員が保有している株式、持ち株比率が1割以上の者が保有している全株式などを流通性が乏しいとみなし、流通株式数にカウントしない方針をとっています。

東京証券取引所に新規に上場するためにはたくさんの流通株式があること、言い換えると投資家に自社の株式をたくさん購入してもらうことが必要であり、第二部より第一部のほうが購入してもらわなければならない株式数が多くなっています。

所属市場を二部から一部に変更する「一部指定」

また、東京証券取引所で有価証券の取引を行う場合は有価証券上場規程を遵守しなければなりませんが、上場企業がこの規程で定められている基準に該当した場合は、あるタイミングで所属市場を変更する措置がとられます。

これは指定替えと呼ばれていますが、東京証券取引所においては本則市場の一部から二部へと所属が変更されることをいい、二部から一部に変更されることは一部指定と呼びます。

東京証券取引所への上場を目指す企業の中には直接東証一部の上場を目指すのではなく、最初に東証二部での株式公開を目指し、企業を成長させて規模を大きくして一部指定を狙う企業も存在しており、1年間に数十社が実際に一部指定によって市場第一部への上場を果たしています。

東京証券取引所に新規に株式を公開する際のルールや、その後公開された状態を維持するために遵守しなければならない規則は、ほとんどが有価証券上場規程に記載されています。この規程は取引所の公式サイトで確認することができるので興味がある人は一度見てみると良いでしょう。

マザーズとは?

「今後伸びていくであろう新興企業向け」とされているのが「東証マザーズ」です。

東証一部と比較すると上場審査基準は低く、東証マザーズへのIPOを経て、ゆくゆくは東証一部へと進みたい企業向けの市場です。

新規上場(IPO)とは、会社の株式を一般公開し、パブリックカンパニーになることです。

上場審査基準の比較をしてみると、東証一部は時価総額が250億円であるのに対して、マザーズは10億円以上と、かなりの差があるのです。 このような特徴があるので、東証マザーズに上場する企業は、成長意欲の高い新興企業が多いと言えます。

東証マザーズには新規上場(IPO)が多い

投資家たちは、今後伸びていく企業をいち早く見定めて投資を行います。また、IPOを控えている企業に対して、ベンチャーキャピタルなどは事前に投資を行い、晴れてIPOを果たせば後々に利益を上げることができます。

このように、各それぞれがIPO投資を行い、大きな利益を手にすることができるため、新規上場(IPO)は魅力なのです。それはIPOをする企業側もそうであり、多くの人に沢山株を買ってもらうと、多くの資金が手に入ります。これを元手に「更なる成長を遂げていく」のが王道的な成長企業の在り方だと言えます。

しかし、最近問題になっているのは「上場ゴール」と言われるものです。本来は、得た資金を適切に使い、更に成長させていくものなのですが、一旦得た資金を「ゴール」として定め、成長を意図的に止めてしまうケースです。当然、このような企業の株は急暴騰し、市場や株主を混乱させます。

[keikou]株価が急暴騰する企業が多いのも、マザーズ市場の特徴[/keikou]といえます。

ジャスダック(JASDAQ)はベンチャー企業向けの株式市場

ジャスダック市場は[keikou]ベンチャー企業向けの市場[/keikou]です。

ベンチャー(新興企業)の上場対象企業に資金調達を促し、起業のバックアップをすることで日本経済の活性化をするものです。

ジャスダックへの上場対象企業は

ジャスダック市場にはスタンダードとグリースの2つの市場があります。

ジャスダックに上場するためには厳正な上場審査基準があり、スタンダードは株主の数が200人以上必要で発行株式のうち流通時価総額が5億円以上、純資産が2億円以上出なければいけません。

一方でグロースはプラス1円以上(正)と緩和されています。 上場審査基準は、上場後の成長の可能性や成長段階に応じた企業統治、内部管理体制という高いコンプライアンスが求められ、それに基づいて審査が行われます。

起業後に非上場として経営しており、上場する企業も多く、大型上場の場合一部上場となるケースも多いですが、小型上場の企業がジャスダック市場の上場審査基準を満たし、その後に徐々に業績を拡大し、二部から一部へと市場変更することも多いです。

米国ニューヨーク株式市場でナスダック市場というベンチャー企業向け株式市場があり、世界最大のベンチャー気企業向けの市場と言われており、大阪証券取引所新興市場向け市場であるナスダック・ジャパンとかつて存在したヘラクレス市場やNEO市場との統合により新たにジャスダック市場として一本化されました。

歴史のある大企業でも、昔はジャスダックやマザーズから上場し、市場変更を経て企業規模拡大とともに市場変更している企業も多いです。

ただ、ジャスダック市場から毎年多くの企業が上場しながら上場廃止や廃業、倒産という企業も多く、あくまでもこの市場がベンチャー企業をサポートするのみであると言いざるを得ません。

株式市場はオークション方式を採用しており、投資家同士が指値注文をして価格の合致で取引が成立し、マーケットでの株主の売買行動に株価が左右されてしまいます。 マーケットには仕手筋という投機を行う投資家もおり、上場時に上昇する株式をターゲットにすることがあり、上場後に業績が悪化することで次第に株価が下落し、上場廃止となるケースも稀ではありません。

上場するとファンドや仕手筋に狙われることもあるため、それなりの経営計画や投資家全体を背負う責任を持たなければいけません。

日本の証券取引所は東京証券取引所じゃない!

大阪証券取引所も存在していた

日本には東京証券取引所以外にも、名古屋証券取引所、札幌証券取引所、福岡証券取引所があります。

以前は、大阪証券取引所も存在していましたが、東京証券取引所に吸収されており、現在は株式を扱わず先物などを取り扱う大阪取引所となって現在に続いているものです。

東京証券取引所にあるジャスダックは、もともと大阪取引所が大阪証券取引所時代に開設した新興企業向けの部門になります。 大阪証券取引所が東京証券取引所に吸収された理由としては、重複上場をする企業が多かったことです。

これは関西発祥企業が大阪証券取引所に上場したのちに東京証券取引所にも上場したことが大きな理由になります。

今では株式は電子化されており、インターネットを使って簡単に株式の売買が可能ですが、そんなシステムがない時代は証券会社の担当者が証券取引所で株券の売買を請け負っていたため、近くの証券取引所が利用されていました。現代の電子化とインターネットの普及によって、より流動性のある証券取引所に集中し大阪証券取引所の出来高は大幅に低下したため、東京証券取引所に証券部門は吸収され現在に至るものです。

地方の取引所は札幌、名古屋、福岡の3箇所

地方の取引所としては札幌、名古屋、福岡の3箇所があります。上場している企業はその地域にゆかりのある企業が多く上場しているものです。

一般的にはマイナーな存在で流動性も少ないですが、その取引所にしか上場していない企業もあります。名古屋証券取引所は名証とも呼ばれ、部門としては名証一部、名証二部のほか新興企業向けのセントレックスがあり、札幌証券取引所も本則市場とアンビシャスと呼ばれる部門があり、福岡証券取引所も本則市場とQ-Boardがあります。

地方の証券取引所は流動性も小さいため頻繁に取引を行うといった場合には不向きですが、その地域に根ざした企業が上場しているので長期的な目で見た取引が主に行われるものです。

また株式会社は上場することで資金調達が可能になりますが、東京証券取引所のようなメジャーなところは上場要件も厳しく、また自社の営業エリアから大きく離れていると不都合なことも多いため、地域に根ざした経営をしている企業は、まずは地元の証券取引所を選ぶのが一般的です。

取引の方法に関しては東京証券取引所と変わりません。 地方の証券取引所の株式はどの証券会社でも取引が出来るのかというと、そうではないことに注意する必要があり、証券会社によっては対象の取引所としていないところもあって、この場合にはその取引所に上場している企業の株式を売買することはできません。

株式市場の種類を解説|日本の証券取引所まとめ

日本には、「東京証券取引所」「名古屋証券取引所」「札幌証券取引所」「福岡証券取引所」の、4つの取引所が存在します。

東京証券取引で、一般的に株式取引ができるのは、
「東証一部」「東証二部」「マザーズ」「ジャスダック」の4つの取引所です。

「東証一部」「東証二部」は上場基準が厳しく設けられているので、有名な企業や大企業が多いでしょう。
「マザーズ」「ジャスダック」は「東証一部」「東証二部」と比べても審査基準は低く、ベンチャー企業や中小企業が多い傾向があります。